みんなの図書館ぶくぶく

金属加工を中心に400年のものづくりの歴史がある新潟県燕市。

このまちの商店街でも、空き店舗を活用したみんなの図書館づくりがはじまりました。

本のある空間をつくりたい

燕市内の老舗ものづくり会社で働く山田さんと白鳥さん。

この会社で働いていたことをきっかけに、燕のさまざまなものづくりの現場を巡るツアーの企画などを行う別会社を山田さんが立ち上げました。その事務所として開設する空き店舗のスペースがあまりにも広かったことから、本好きの白鳥さんととも図書館計画が急浮上しました。

「もともと私設図書館をつくりたいという構想はあったんです。本のある空間をいつかつくりたいと山田とも日頃から話したりしていました。」

それから「将来古本屋をやりたい」と話していた山後さんも仲間として加わり、3人が中心となって図書館づくりがはじまりました。

週末なにしてる?

サンロード宮町商店街の家具屋のあった空き店舗ではじまった図書館づくり。予算が限られているなかで、空き店舗のペンキ塗りからDIYがはじまりました。

「宮町の商店街では、なにかをはじめようとすると、自分になにができるか?を考えて、協力してくれる人がたくさんいるんです。若い人が少ないからかもしれないけど、みんなでやろう!っていう気質があります」

図書館づくりのDIYには想像を超える多くの人が足を運んでくれて、子連れで来てくれた家族もあったそうです。子どもたちがDIYを手伝いながらも遊ぶ姿を見て、「こんな風に図書館を使ってくれるんだろうな」と思いを馳せる場面もあったのだとか。

本棚は知り合いの建築士がくれたものでしたが、問題は車で1時間弱の新潟市まで大きな本棚を自分たちで運搬しないといけなかったことでした。2tトラックの運転免許をもっている山後さんが、会社の同僚に「週末なにしてる?ドライブしに行かない?笑」と頼んで、一緒に本棚の運搬をしたのが良い思い出だそうです。

みんなが自分の「好き」を言える場に

この場所は本の英語系であるブックにアイデアを得て、響きの良さから「みんなの図書館ぶくぶく」と名付けられました。

「目的はないけどいるだけで良い。本を借りに来ることを言い訳に多様な人が集まる場所に育てていきたいと思っています。図書館という名前はついているんだけど、多様な解釈がされる場所になっていけばいいなって。燕のおもしろい人を紹介して、みんなが自分の「好き」を言える場を目指したいです。」

ぶくぶくの他にもお花屋さんやフォトスタジオ、シェアオフィスがこの数年で開店するなど、サンロード宮町商店街での若者の動きが加速しています。

大人だけでなく、子どもや中高生も集まれる図書館にしていきたいと話す館長の白鳥さん。多くの人の手でつくられた「ぶくぶく」は、燕の魅力的な人の「好き」を発信する拠点として今日も開館しています。

みんなの図書館ぶくぶく

Instagram https://www.instagram.com/buku2_tsubame/
〒959-1257 新潟県燕市宮町2-26